【なごや新地巡り】富士見原

◎江戸時代のスーパー銭湯

 スーパー銭湯の発祥が名古屋という話を調べてみたら、名古屋コンベンションビューローのウェブサイトは「1985年の高岡市が一番古い」とあっさりとその座を譲っている。それ以前からヘルスセンターという複合温泉施設は存在しており、何をもってスーパー銭湯というかあいまいではある。銭湯を中心とした複合遊戯施設と定義すれば実は名古屋が日本で一番古い。それは享保十七(1732)年夏のこと。

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【なごや新地巡り】葛町

味噌煮込みうどん

◎創業が古いと何が良い?

 京都のお菓子井筒八ツ橋本舗が同業者の聖護院八ツ橋総本店の元禄創業に根拠がないという訴訟は、今月22日、第一回口頭弁論が行われたそうだ。ウェブサイトを見ると双方とも最初の方に歴史の項目が置かれている。どちらも本家本元という決定打を欠く中での争いになりそうだ。静かに京の銘菓として売っていれば良いのにと思うのは筆者が京都人ではないからだろう。あそこで生きるのは大変だ。

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【なごや新地巡り】西小路(2)伊勢音頭の謎

◎石碑に込めた想い

 昨年二月に小刀屋藤左衛門こと木全湛水の終焉の地である篠島を訪れた際、島の人に訊いても、島内に在ると聞いていた湛水の歌碑はとうとう見つからなかった。きっとどこかの木の下に人目を避けてひっそりとあるのだろう。その帰り、師崎の岬の先端でSKE48の「羽豆岬」の碑を見た。探していたわけではない目に飛び込んできたのだ。豆の形(ハート型?)で開けた岬の先端に建立されていた。地域密着・地域貢献がSKEの活動のテーマだという。喧伝される噂より、一人一人、リアリティが大切という姿勢は、蓋し人気者づくりの原点だろう。ならば地域おこしに使おうという地元の商工会の思いも解らないではない。アイドルと石碑というミスマッチを狙ったのだろうか。

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【なごや新地巡り】西小路(1)芝居のある卍交差点

◎六角形の錣(しころ)屋根

宗春の許可によって開発された新地は三つあった。それを順にご紹介したい。

残された絵図は少ない。以前のブログ「赤色に……」で紹介した享元絵巻にも新地が描かれている。名古屋市博物館が精彩画像で紹介している。

http://www.museum.city.nagoya.jp/collection/fine_portrait/lineup/new_screen3.html

西小路は左上部。現在の松原小学校~松原公園~東輪寺の西側に当たる。

そこを拡大してみると……

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